子供に多くみられるてんかんの種類と症状のまとめ!
てんかんと一言で言っても実は一種類だけではないのです。そしてさまざまな症状がその種類によって違ってきます。
年齢的なものもあってその時期がすぎれば自然と消失してしまうものもありますし、大人になるまで付き合わなくてはいけないてんかんもあります。
ではさっそく見ていきましょう!
子供のてんかんの種類はどんなものがあるの?
てんかんの種類というと実は私は一種類しかないと最近まで思っていました。突然白目をむいて倒れ硬直してしまうという症状です。
でも実はてんかんと言っても何種類もあるのです。
まずは子供のてんかんというとこの種類のものが一番多いようです。
●症候性全般てんかん
- ウエスト症候群
- ミオクロニー失立発作てんかん
- レノックス・ガストー症候群
- ミオクロニー欠神てんかん
●特発性全般てんかん
- 良性新生児家族性けいれん
- 良性新生児けいれん
- 乳児良性ミオクロニーてんかん
- 小児欠神てんかん
- 若年欠神てんかん
- 若年ミオクロニーてんかん(JME)
- 覚醒時大発作てんかん
●特発性部分てんかん
- 中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん
- 良性後頭葉てんかん
上記の物が子供の小児てんかんの種類になります。
次に種類に対しての症状を見ていきましょう。
子供のてんかんの主な症状は?
まず気になるのが特発性と症候性、全般てんかんと部分てんかんとの違いが気になります。
部分てんかん(部分発作)
脳の一部が過剰に反応して興奮する事によって起こります。
◎単純部分発作
- 意識障害は起こらない
- 音が聞こえなくなる
- カーンという音が聞こえる
- 物が見えなくなる
- キラキラした残像がみえる
- 手足がしびれる
- 顔がしびれる
- 体の一部がこわばったりねじれたりする
- 片方が引っ張られる感じがする
◎複雑部分発作
- 意識障害がおこる
- 突然動作が止まりボーとする
- 手を叩く
- 歩きまわる
- 口をもぐもぐする
全般てんかん(全般発作)
失神発作が多いのが全般てんかんになります。
脳全体が過剰に興奮して全身が痙攣して意識がなくなったりします。ただ、1回の発作が30秒前後でおさまり症状もまぶたが痙攣したり、
動きが止まる、一瞬意識がなくなるなどの症状がでます。
大人にあまり気づかれにくいためてんかんとは思わずに多動児と判断されてしまう場合もあるようです(落ち着きが無い、集中力がない、ぼんやりしている)
ただ、てんかんが強い場合は突然倒れたり持っていたものを突然投げてしまうなどの症状も出るため注意が必要になります。
次に症候性と特発性の違いを見ていきましょう。
症候性
原因となる基礎疾患が脳にあってそのために脳内の特定の部位に電気的な異常・過剰放電が起こります。
特発性
脳の深部にある部位(意識覚醒に関係)に突然電気的以上がおこって最初から体の両側に症状が見られます。脳波の検査でも両側性の異常が対称にみられるのが特発性です。
なんとなく違いが分かったでしょうか。
特発性全般てんかんでは男の子に多く症状が見られる場合が多いです。
年齢的には乳児期から7歳くらいまでに多く見られます。
・ウエスト症候群
寝起きによく見られて、さまざまな運動や知能に発達しょうがいが生じる場合があります。特徴的な脳波が観察される難治性のてんかんです。
・レノックスガストー症候群
ウエスト症候群から移行することのあるてんかんで多様な症状がでます。知能や運動機能に発達障害も見られます。
・ミオクロニー失立発作てんかん
熱性けいれんなどを合併する場合があります。
・ミオクロニー欠神てんかん
欠神発作(数十秒間にわたり意識がなくなる発作)が1日に何回もおこり、他のてんかんに移行する可能性もあります。
特発性全般てんかんは脳の障害の異常や手足の麻痺などはありません。多くの種類があって成人まで続くてんかんもあります。
・良性新生児家族性けいれん
両親のどちらかにこの病気があると半分の確立で発作が出るとされています。遺伝性のてんかんとも言われていて、生後3日目くらいから発症し、生後6週間目くらいには発作が収まるとされています。
・良性新生児けいれん
生後5日目前後におこるてんかんで無呼吸発作などを何回か繰り返すのですがこの時期を過ぎると再発はしません。
・乳児良性ミオクロニーてんかん
1歳から2歳くらいで発症し、軽い知能発達の遅れや人格障害を伴う場合もあります。
・小児欠神てんかん (ピクノレプシー)
6歳7歳の女の子に多く見られるてんかんの症状で1日に数回から数十回の意識混濁状態になるのみです。過呼吸時に誘発されることが多く運動中に突然動きが止まってぼう然とすることがあります。
・若年欠神てんかん
上記の小児欠神てんかんと同じ症状ですが頻度は少なく散発的です。寝起き直後に起きやすいのが特徴です。こちらは思春期が多いですね。
・若年ミオクロニーてんかん(JME)
全てのてんかんの10%弱、特発性のてんかんの約20~25%を占めると言われています。8~20歳に発症することが多く、不規則な発作で転倒することもあります。遺伝性が強いのではないかと言われています。
・覚醒時大発作てんかん
10代の子供に起きやすく寝起き直後に症状が出やすいてんかんです。
特発性部分てんかんは子供で年齢に関連しておこるてんかんです。
・中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん (良性ローランドてんかん)
生後18ヶ月から13歳までの子供にみられるてんかんです。
平均では七歳ころに発症して眠りに入った直後に主に顔面の片側の硬直や過剰なよだれがみられます。思春期に入る頃にはてんかんの発作は消えて再発する可能性は低いです
・良性後頭葉てんかん
錯覚や幻覚、眼の症状から始まる発作です。視野が暗くなったり輝く点が見えるのが特徴です主に小学校高学年頃に見られるてんかんなのですが幼児期の場合は初期症状で嘔吐や吐き気から発作が始まります。
まとめ
今回は子供を焦点に記事を書いているのですが、大人の症状などを合わせるともっと種類は増えます。
そしてまだまだ医学的に分かっていないてんかんの部分もあるでしょう、、、。
てんかんの自己判断はかなり難しいかと思いますので信頼できるお医者さんに診てもらい適切な診断をしてもらうようにしてください。